差押えは４分の１まで！？
借金を滞納し、
給料を差し押さえられた場合
の対処法

・給料の差押えとは

・給料差押えまでの流れ

・すでに差押えられた場合の対処法

・まとめ

借金の返済が滞ってしまっていても、即日で給与が差押えられてしまうわけではありません。

債権者にもよりますが、給与差押えが行われるまでにいくつかステップがあります。

返済の遅延が発生すると……

返済期限から１日でも遅れてしまうと、遅延損害金が発生し、支払う金額が多くなってしまいます。

電話や督促状、また債権者によっては訪問で支払いの督促が行われますが、この時点で遅れている分を払いきればもちろん問題はありません。

さらに返済が滞り続けると、一括返済の催告書が届きます。

ここで一括返済ができれば問題はないのですが、これも無視していると裁判手続きに移る旨が伝達されます。

債権者が、　・訴訟　・支払督促　のいずれかの申立てを行い、裁判所から通知が送られてきます。

・訴訟の場合

訴状が届き、裁判所に呼び出されます。

期日に出頭しなければ、債権者の求め通りに判決が出ます。

・支払督促の場合

支払督促正本が届きます。

二週間以内に異議申し立てをしなければ、仮執行宣言付支払督促が確定し、差押えの強制執行が可能になります。

訴訟、支払督促を経て、債権者が裁判所に差押えの申立てを行います。

申立てが受理されると、債務者本人と勤務先に債権差押命令正本が送られますので、この時点で確実に職場には知られてしまうことになります。

勤務先が返送した差押命令正本の内容等に基づき、差押えが実行されます。

このように、給与の差押えが実際に起こるまでには、返済の滞納が起こってから４か月～半年程度は時間があります。

差押えが行われて収入が減ってしまうと、生活をしながら返済を続けるのは困難です。

その前に司法書士に相談して債務整理を行い、無理のない返済計画を立て直すことが理想です。

①一括返済

残債や遅延損害金などを全て一括で返済してしまえば、給与の差押えは解除されます。

とはいえ、もちろん、それが可能な状況であるケースはめったにないでしょう。

②差押禁止債権の範囲の変更を申し立てる

給与の差押えによって著しく生活が困窮している場合には、裁判所に対し、給与のうち差押えられる額を軽減してもらうよう申し立てることができます。

収入と家計状況が分かる資料を提出した上で、生活に著しく支障をきたしていると認められれば、差押えの額が軽減されます。

しかし、差押えの額が減った分、返済は遅れることになりますので、遅延損害金の発生により借金自体は増えてしまう可能性があります。

③債務整理を行う

すでに給与の差押えが始まってしまっている場合、個人で対処するのはかなり難しいでしょう。

司法書士に相談し、債務整理を行うことが最も現実的な手段です。

債務整理には

・任意整理

・個人再生

・特定調停

・自己破産

という種類があります。（債務整理の４つの種類はこちら）

方法によっては、手続きを開始した日から支払いの督促が停止し、借金自体の大幅な減額がのぞめる場合もあります。

具体的にどの方法が適しているかは、債務者の状況によって違いますので、まずは司法書士に相談することが最善です。